野生動物は野生のままに!
青々としたみどりが広がる甲山森林公園、
梅雨シーズンに向けて、白い花が目立ってきました。
そんな5月は、トライやるウィーク月間でもあります。
公園近隣の中学生が、甲山森林公園へ職場体験にやってきます。
今週は、上ヶ原中学校の生徒さん5名が活躍中。
公園の仕事は多岐に渡るため、1週間で公園業務を理解するのは難しいと思いますが、
園内の樹木剪定や草刈り、巡回、イベント業務、教材作成に関わる業務など、
毎日いろいろな種類の業務を、少しずつ体験していただいています。
本日水曜日は、園内の樹木にかけられた「樹名板」の調査。
園内をくまなく歩き、
樹名板の設置状況を点検していただく、地味だけれど大事な仕事にチャレンジ。
時に、壊れていたり、紛失していたり、
異なる樹木に付け替えられていたり、樹木そのものがなくなっていたり、、
自然の中ではいろんなことが起こりますので、
定期的な点検業務は大切な仕事のひとつなのです。
そんな園内調査のなか、
中学生スタッフのみなさんは、不審な段ボール箱を発見されました。
その中身は・・・
カラスのこども!
(正確には、ハシボソカラス)
生きもの好きな中学生たち、
「どうすればいいですか??」と興奮ぎみに報告をいただいたのですが、、
公園スタッフとしては、つらい返答をしないといけません。
「ほうっておくしかありません」
野生動物は、野生のままに。
それが、人が野生動物とつきあうための第一のルールです。
親鳥の代わりになり、
野生に返すことができない以上、
「かわいそうだから」と、安易に人が野生動物に手を出しては、
かえって、野生動物の生きる道を閉ざすことになってしまいます。
野生の幼鳥が、なんらかの事情で巣から落ちた場合、
(または、巣立ち前で巣から落ちているようにみえる場合、)
親鳥がそばで見守っていることが多いのですが、
今回の場合は、残念ながら、
カラスの雛を、丁寧に段ボール箱に入れて、誰かがどこか別の場所から移動させた様子。
親鳥がこどもを迎えにくる確率は低いのですが、
公園スタッフが、中学生スタッフと共に、
段ボール箱から子カラスを出し、自然の中へと戻しました。
生き残れるよう、一縷の望みをもって…
野生動物は野生のままに。
どうか、野鳥をはじめ、野生動物のこどもをみかけても、
そのままそっと見守ってください。
野生動物とのつきあい方を伝えていくのも、公園スタッフの仕事のひとつです。
中学生スタッフのみなさんにも、
今回の経験を周りの人たちに伝えてくれるといいなと願います。