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自然情報 更新日 : 2017年05月17日

野生動物は野生のままに!

青々としたみどりが広がる甲山森林公園、
梅雨シーズンに向けて、白い花が目立ってきました。

そんな5月は、トライやるウィーク月間でもあります。

公園近隣の中学生が、甲山森林公園へ職場体験にやってきます。

今週は、上ヶ原中学校の生徒さん5名が活躍中。

公園の仕事は多岐に渡るため、1週間で公園業務を理解するのは難しいと思いますが、
園内の樹木剪定や草刈り、巡回、イベント業務、教材作成に関わる業務など、
毎日いろいろな種類の業務を、少しずつ体験していただいています。

本日水曜日は、園内の樹木にかけられた「樹名板」の調査。
園内をくまなく歩き、
樹名板の設置状況を点検していただく、地味だけれど大事な仕事にチャレンジ。

時に、壊れていたり、紛失していたり、
異なる樹木に付け替えられていたり、樹木そのものがなくなっていたり、、
自然の中ではいろんなことが起こりますので、
定期的な点検業務は大切な仕事のひとつなのです。

そんな園内調査のなか、
中学生スタッフのみなさんは、不審な段ボール箱を発見されました。

その中身は・・・

カラスのこども!
(正確には、ハシボソカラス)

生きもの好きな中学生たち、
「どうすればいいですか??」と興奮ぎみに報告をいただいたのですが、、
公園スタッフとしては、つらい返答をしないといけません。

「ほうっておくしかありません」

野生動物は、野生のままに。
それが、人が野生動物とつきあうための第一のルールです。

親鳥の代わりになり、
野生に返すことができない以上、
「かわいそうだから」と、安易に人が野生動物に手を出しては、
かえって、野生動物の生きる道を閉ざすことになってしまいます。

野生の幼鳥が、なんらかの事情で巣から落ちた場合、
(または、巣立ち前で巣から落ちているようにみえる場合、)
親鳥がそばで見守っていることが多いのですが、
今回の場合は、残念ながら、
カラスの雛を、丁寧に段ボール箱に入れて、誰かがどこか別の場所から移動させた様子。

親鳥がこどもを迎えにくる確率は低いのですが、
公園スタッフが、中学生スタッフと共に、
段ボール箱から子カラスを出し、自然の中へと戻しました。
生き残れるよう、一縷の望みをもって…

野生動物は野生のままに。
どうか、野鳥をはじめ、野生動物のこどもをみかけても、
そのままそっと見守ってください。

野生動物とのつきあい方を伝えていくのも、公園スタッフの仕事のひとつです。
中学生スタッフのみなさんにも、
今回の経験を周りの人たちに伝えてくれるといいなと願います。

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